
脱毛期間中は、肌の保湿を念入りに行うことが大切です。
肌が乾燥したままで施術を受けると痛みが強めに生じたり、施術後にかゆみや炎症が起きてしまうことがあります。
肌を十分に保湿しておくことが、これらのリスクの軽減につながります。
照射部位や肌状態に合わせた保湿方法でケアを行いましょう。
脱毛に保湿ケアが必要な理由
医療レーザー脱毛は、発毛組織を破壊する際に熱を発するレーザーを照射します。この熱によって施術部位の肌から水分が奪われ、肌が乾燥しやすくなります。肌が乾燥すると施術後の肌トラブル(炎症や痛みなど)が起こりやすくなりますが、事前・事後にしっかり保湿することでこうしたトラブルを予防できる可能性があります。
保湿不足によって生じるリスク

十分に保湿されていないまま脱毛を行うと、肌に以下のようなリスクが生じます。
炎症が起きやすくなる
水分が不足した肌はバリア機能が低下し、雑菌が侵入しやすくなります。また、レーザー照射による熱が肌にこもってダメージを与え、施術後に炎症が発生するリスクも高まります。
痛みを強く感じやすくなる
乾燥した肌は熱刺激に敏感になるため、同じレーザー照射でも痛みを強く感じてしまうことがあります。実際、脱毛機についている冷却面で肌を冷やし痛みの軽減に努めますが、肌が乾いていると熱をより感じやすくなってしまいます。
脱毛効果が下がる可能性
乾燥によって痛みが強い場合、レーザーの出力を下げて照射せざるを得ないことがあります。しかし出力を弱めると毛根へのダメージが不十分となり、十分な脱毛効果が得られにくくなってしまいます。
脱毛期間中の保湿ケア方法
肌は日々乾燥するため、レーザー照射の前後だけでなく、日常的に保湿を行うことが大切です。洗顔・入浴後、自己処理後などの乾燥しやすいタイミングのほか、気付いたときにこまめに保湿するようにしましょう。
なお、入浴後は肌が乾燥している状態であるとともに、肌が温まって水分が浸透しやすくなっています。そのため、タオルで顔や体を拭いた後はすみやかな保湿を心がけましょう。
部位別の保湿方法
部位や肌の状態によって、適切な保湿方法は異なります。以下に主な部位ごとの保湿ポイントを紹介します。
顔 |
顔は身体よりも皮膚が薄く、外的刺激を受けやすい敏感な部位です。露出していることで乾燥もしやすいため、低刺激で保湿力の高い化粧水やローションを選びましょう。化粧水を塗布した後に、油分を多めに含んだ乳液でフタをし、皮膚から水分が蒸発するのを抑えましょう。 |
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体 |
体は面積が大きいため、のびのよいボディクリームやボディローションなどを使用します。背中など手が届きにくい場所は、スプレータイプのボディローションで、できるかぎり塗り残しがないようにしましょう。また、体も肌同様にローションの後に、油分を含むクリームを塗り重ね、皮膚からの蒸発を防いでください。 |
VIO |
VIOなどのデリケートゾーンは、汗や尿、経血が付着するだけでなく、多湿であたたかいため、菌が繁殖しやすい部位です。そのため、まずシャワーを浴びるなどして肌を清潔にしてから保湿をします。 |
季節や気候に応じた保湿ケア
冬から春、夏から秋といった季節の変わり目には、気温・湿度・紫外線量など肌に影響を与える環境が大きく変化します。そのため、いつもと同じ保湿ケアをしていても肌が乾燥しやすくなることがあります。肌の乾燥が気になるときは、普段より低刺激の化粧品に変えたり、高保湿のクリームに切り替える、スキンケアにオイルをプラスするなど、肌の状態に合わせて保湿ケアの内容を見直してみましょう。また、室内では加湿器を使うなどして乾燥しにくい環境づくりをすることも大切です。
季節ごとの詳しいスキンケア方法については【季節の肌状態と気候に合わせたスキンケア方法】も参考にしてください。
レーザー照射当日の保湿に関する注意事項
レーザー照射を受ける当日に保湿には注意が必要です。「香料や着色料、ラメ」などが入った保湿剤は、レーザー照射時の刺激によって思わぬ炎症を引き起こす可能性があります。
当日はこれらの成分が含まれる保湿剤の使用を控えて、肌を清潔な状態に保つことが大切です。
脱毛期間中に保湿と合わせて気をつけたいこと
レーザー照射後の肌は外部刺激に弱くデリケートな状態です。保湿によるケアに加えて、炎症などのトラブルを防ぐために次のポイントにも注意しましょう。
紫外線対策を徹底する
日常的に日焼け止めを塗り、帽子・日傘・サングラスなどで紫外線から肌を守りましょう。日焼けしてメラニン色素が増えた肌にレーザーを照射すると火傷のリスクが高まります。また、肌に赤みなど炎症がある場合は照射自体行えません。
肌が黒く日焼けしていると火傷を避けるためレーザーの出力を弱めて照射する必要があり、その分脱毛効果も低下してしまいます。
詳しくは【脱毛期間に日焼けしてはいけない】をご参照ください。
肌への摩擦をできるだけ避ける
衣服の縫い目や生地による擦れが刺激にならないよう、なるべく肌触りの良い素材やゆったりとしたデザインの服を選びましょう。身体を洗うときもナイロンタオルなどでゴシゴシこすらず、手や柔らかいタオルで優しく洗ってください。
入浴後に体を拭くときも、タオルで押さえるように水分を吸い取ると摩擦を減らせます。
自己処理は電動シェーバーで行う
脱毛期間中にムダ毛の自己処理をする場合は、肌に直接刃が当たりにくい電動シェーバーを使いましょう。カミソリは広い刃が直接肌に触れて表面の角質まで削ってしまうため、乾燥や炎症を起こしやすくおすすめできません。
どんな道具を使っても自己処理自体が肌への負担になるので、必要最低限の頻度にとどめることが大切です。
十分な睡眠時間を確保する
夜更かしや徹夜はできるだけ避け、毎日しっかり睡眠をとるようにしましょう。睡眠不足が続くとホルモンバランスが乱れて肌荒れの原因になります。また、寝不足の状態ではレーザー照射時に痛みや炎症が起こりやすくなる可能性があります。
さらにホルモンバランスの乱れによって肌のターンオーバー(新陳代謝)が滞ると、古い角質が肌表面に残ってごわつき、水分や保湿成分の浸透も悪くなってしまいます。
他のチェックポイントも確認
ここまで説明したもの以外にも気を付けるべきポイントはいくつもあります。詳しくは【脱毛前に必要な準備】の記事も併せてお読みください。
「保湿も脱毛の一部」と考える
脱毛期間中の肌は非常にデリケートなため、毎日の保湿ケアが脱毛効果の維持と肌トラブル予防に欠かせません。乾燥を放置すると痛みや炎症が強く出たり、脱毛の効果が下がる原因にもなります。顔・体・VIOなど部位ごとの特性に合わせた保湿方法を実践することが、健やかな肌を保つカギです。
当院では、脱毛と保湿の関係についても丁寧にご説明し、一人ひとりの肌状態に合わせた施術とケアを行っています。脱毛中は「保湿も脱毛の一部」と意識して、正しいスキンケアを習慣にしましょう。