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埋没毛の治し方は?毛が埋まる原因や対処【皮膚科医監修】

脇やひざ、Vラインなどの皮膚の下に毛が埋もれる「埋没毛(まいぼつもう)」が発生することがあります。原因のほとんどは、自己処理をしすぎて皮膚がダメージを受けてしまったことだといわれています。

できてしまった埋没毛は、肌を清潔に保ってケアすることが大切です。また、肌を保湿し、必要以上の自己処理は避けて埋没毛の予防を心がけましょう。

埋没毛とは

埋没毛(まいぼつもう)は「埋もれ毛」とも呼ばれ、皮膚の内側で埋もれたまま成長している毛のことをいいます。
皮膚の下でクルクルと丸まっていたり、黒いブツブツになっていたりする状態です。

埋没毛のできやすい場所

埋没毛は、毛の生えている部位なら全身どこにでもできる可能性があります。
特に頻繁に自己処理をしている部位や、太くて濃い毛が生えている部位、毛の生えている方向がばらばらな部位にできやすい傾向があります。
具体的には、ワキやひざ下、Vライン、眉毛、腕などです。

毛が皮膚に埋まる原因

埋没毛は、自己処理によって皮膚が傷つき、乾燥や肌荒れが起きて皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が乱れることが原因のひとつと言われています。
特にカミソリによる剃毛や毛抜きやワックスで毛を引き抜く方法は埋没毛を引き起こしやすいので、自己処理で使用しないようにしましょう。

肌の表面を削ってしまうカミソリによる剃毛

気軽に毛を処理できるカミソリですが、剃毛のときに刃が直接肌に当たり、毛だけではなく皮膚の表面も削ってしまうので肌が傷ついてしまいます。
カミソリによるシェービングで目に見えない小さな傷がついた肌の状態が続くと、肌のターンオーバーが乱れ、角質層が厚くなるので、毛穴が塞がれて埋没毛ができてしまうのです。

毛抜きやワックスによる自己処理

毛抜きやピンセットで毛を無理やり抜いてしまうと、毛根を傷つけてしまい、肌のターンオーバーが正常に行われず毛穴が塞がれて毛が埋もれてしまいます。
また、肌に塗布し、乾いたところで一気にはがして毛を処理するワックスも毛抜き同様、皮膚や毛穴にダメージを与えるので埋没毛を引き起こす可能性があります。
VIO(デリケートゾーン)の毛を処理する「ブラジリアンワックス」は手軽な除毛方法として人気ですが、リスクを理解して使用する必要があります。

埋没毛の治し方

埋没毛ができても肌のターンオーバーが正常に行われると、自然と治っていくことがほとんどです。肌のターンオーバーにより新しい皮膚が生まれ、古い皮膚がはがれ落ちると、埋もれていた毛も自然と皮膚の表面に押し出されるからです。
そのため、埋没毛ができたからといって、毛抜きやピンセットなどで無理に毛を抜かないようにしてください。皮膚や毛根を傷つけ炎症を引き起こす可能性があります。肌を清潔にし、保湿して健康な状態に保つことが埋没毛を治すためのポイントです。

生活習慣の乱れや不適切なスキンケアなどが原因で、肌のターンオーバーが乱れていると、埋没毛を排出できません。埋没毛が自然に治らず、毛嚢炎(もうのうえん)などの炎症が起きている場合は皮膚科を受診してください。

毛嚢炎は強いかゆみや痛みを伴うこともある炎症なので、その原因となり得る埋没毛を作らないことが大切です。詳しくは以下のページをお読みください。

毛嚢炎が起こる原因と対処法

埋没毛の予防対策

肌を日常的に保湿する

埋没毛を予防するには、肌のターンオーバーが正常に行われる必要があります。日ごろから肌を十分に保湿し、肌のターンオーバーの乱れにつながる乾燥や肌荒れを防ぐことが大切です。
化粧水やクリーム、尿素配合クリームなどでスキンケアを行いましょう。
特に尿素配合クリームは、クリームに含まれている尿素が水分を保持し肌の乾燥を防ぐとともに、硬くなった角質層を柔らかくして肌のターンオーバーを助ける働きもあるので、埋没毛の予防につながると言えます。

角質ケアを行う

ピーリング剤で肌をなめらかにするお手入れも埋没毛の予防が期待できます。ピーリングで肌の汚れをふき取ったりすることで肌のターンオーバーをサポートできます。
ただし頻繁におこなうと肌を傷めてしまうため週に1回など、間をおくようにしましょう。
###自己処理には電気シェーバーを使用する
カミソリや毛抜き、ワックスによる自己処理は肌を傷つけてしまうため、埋没毛ができやすくなります。自己処理をする場合は、肌に負担がかかりにくい電気シェーバーを使って毛を剃るようにしましょう。肌の表面や毛穴を傷つけることが少ないため、肌への負担が少なくなります。

脱毛と埋没毛の関係

レーザー脱毛を受けることで埋没毛の解消や予防を期待できます。

クリニックでは、埋没毛がある肌でもレーザー照射が可能です。レーザーは毛の黒い色素(メラニン色素)に反応するため、皮膚の下にある埋没毛の色素にも反応します。埋没毛にレーザーを照射し、熱が発生すると、毛母細胞や毛乳頭、バルジ領域などの発毛組織を破壊できる可能性があるのです。

ただし、埋没毛は、皮膚越しにレーザーを照射するので、肌の表面に出ている毛に比べて、発毛組織が破壊されにくいと言えます。照射後すぐに埋没毛が解消できるわけではなく、レーザー照射を繰り返して発毛組織が破壊されると、皮膚の生まれ変わりに伴い、埋没毛が抜け落ちます。

また、レーザーで発毛組織を破壊した毛穴から毛が生えることはほぼないので、自己処理の頻度が下がると、肌負担が減って埋没毛の予防につながります。

一方でレーザー照射によって埋没毛の状態の毛穴に熱がこもり、照射後に炎症が起きるリスクもあります。さらに埋没毛が悪化して炎症を起こしている肌にはレーザーを照射できない可能性があります。

サロンの埋没毛への対応

エステサロンなどでは、埋没毛を避けて光を照射したり、埋没毛があると照射できなかったりするケースもあります。医師の指導のもとで行われるレーザー照射とは異なり、医師が常駐していないエステサロンなどでは、埋没毛への照射で炎症などの肌トラブルが起きたときに対処できないためです。

コラムに関する注意事項 本コラムは一般的な脱毛に関する情報を掲載しており、当院の提供するサービス内容や方針とは一部異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。 掲載内容は執筆時点の情報です。また、予告なく変更されることがあります。 掲載画像はイメージです。

この記事の監修者

フレイアクリニック総院長 磯野宏貴医師

フレイアクリニック総院長
磯野 宏貴

東京慈恵会医科大学 医学部卒業後大手病院を経て、2020年フレイアクリニック横浜院院長に就任。 2021年6月より、フレイアクリニック総院長を務めている。