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レーザー脱毛の出力と効果の関係

レーザー脱毛の効果は、レーザー出力の強さだけではなく他の要素が絡み合って決まります。レーザー出力をあげると火傷などのリスクが高まるため、一人ひとりの肌質や毛質に合わせてレーザー出力を調節していく必要があります。

医療レーザー脱毛の出力とは

医療レーザー脱毛の出力とは、レーザーのエネルギーの量のことです。エネルギーは、6J、8Jなど、ジュール(J)*という単位で表します。ジュール以外の要素が同じ条件の場合は、は数字が大きいほど強い出力を表します。

*単位面積当たりのエネルギー量で表す場合は、J/cm²で表されます。分かりやすいようにJとの表記がされることもあります。

適切なジュール数は部位ごとに異なる

適切なジュール数は、照射する部位ごとに異なります。毛の太さや濃さ、毛の生える密度、肌の厚みなど、部位ごとに毛や肌の特徴があるためです。たとえば薄く柔らかい肌に太く濃い毛が密集して生えるVIOと、厚みのある皮膚に少し産毛が生える二の腕の内側だと、目安となるジュール数は異なります。

具体的な部位ごとのジュール数の目安は、レーザー脱毛機の照射方式、レーザー種類、使用するハンドピースのスポットサイズ、パルス幅の設定など、次の章で詳しく紹介する要素によって異なります。

レーザー出力と脱毛効果

医療レーザー脱毛で得られる効果は、レーザーの出力値に加えて、(1)脱毛機の照射方式、(2)脱毛機に搭載されているレーザー種類、(3)使用するハンドピースのスポットサイズ、(4)パルス幅の設定との兼ね合いで決まります。

(1) 脱毛機の照射方式

同じレーザーでも脱毛機の照射方式によってレーザーの出力やその他の要素の設定値は違います。照射方式には熱破壊式と蓄熱式があります。どのレベルのエネルギーで、どれくらいの時間をかけて、どの発毛組織を主に破壊をするのかが異なります。

熱破壊式脱毛

熱破壊式脱毛は、毛根の奥にある毛母細胞や毛乳頭という発毛組織を破壊するために高出力のレーザーを瞬時に照射します。毛が抜け落ちるまでの期間の目安は施術後1~2週間です。

蓄熱式脱毛

蓄熱式脱毛は、皮膚の浅い箇所にあるバルジ領域という発毛組織を破壊するために低出力のレーザーを連続して照射します。じわじわと皮膚の浅い箇所に熱を蓄えることで脱毛する照射方式です。毛が抜け落ちるまでの期間の目安は施術後2~4週間です。

(2) 脱毛機のレーザー種類

同じ出力値でも、脱毛機に搭載されたレーザー種類によって効果は異なります。アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザーの3種類が一般的です。レーザーをどの深さまで照射できるか、メラニン色素にどのくらいレーザーが吸収されるかなどが違います。

アレキサンドライトレーザー

アレキサンドライトという宝石を用いたレーザーです。波長は755nmで3種類のレーザーの中では最も波長が短く、メラニンに吸収されやすい特徴があるので、弱い出力でも発毛組織にアプローチできるといわれています。高出力のレーザーを照射すると肌表面のメラニン色素に反応して火傷を起こすリスクがあることから、メラニン色素を多く含む褐色肌、色素沈着のある肌の産毛には照射できないことがあります。

ダイオードレーザー

ダイオードレーザーは半導体を使用したレーザーです。代表的な波長は810nmで、メラニンへの吸収率はアレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの中間程度です。ダイオードレーザーはアレキサンドライトレーザーよりも波長が長く、皮膚の深部に到達するため、VIOなどの毛が根深く密集している部位にレーザーが反応しやすい特徴があります。

ヤグレーザー

ヤグレーザー(YAGレーザー)はイットリウム(Y)、アルミニウム(A)、ガーネット(G)の結晶を用いて作られたレーザーです。波長は1064nmで、3種類のレーザーの中で最も長い波長を持ちます。皮膚深部にレーザーが届き、皮膚の奥に発毛細胞があるヒゲなどの太く濃い毛にもアプローチが可能です。ヤグレーザーはメラニンに吸収されにくい性質のため、日焼け肌や色素沈着している肌への施術にも対応しています。ヤグレーザーは肌の深部にまでレーザーが届く反面、施術時は痛みを感じやすい傾向があります。

(3) スポットサイズ

同じレーザー出力でも使用するハンドピースのスポットサイズによって効果は異なります。スポットサイズが大きいほど1ショットで照射できる範囲は広くなりレーザーが到達する深度も深くなります。ただし大きいスポットサイズは、小さいスポットサイズと同じ出力値だと熱がこもる分だけ火傷などのリスクが高くなるので、出力を下げる場合もあります。同じ状況でも出力は下げずに、パルス幅(下述)を長くして瞬間的に皮膚に与えるエネルギーを抑える場合もあります。

(4) パルス幅

同じレーザー出力でも、パルス幅の設定によって効果は異なります。パルス幅とはレーザーを1ショット照射する時間のことです。同じ出力値でも短い時間で出力する方が瞬間的に発毛組織や皮膚に与える衝撃が強くなります。
たとえば、同じ8ジュールの出力値でも、パルス幅を5ミリ秒*で照射するのとパルス幅を50ミリ秒で照射するのを比較すると、短い時間での照射(5ミリ秒)の方がより多くの熱が生じやすくなり効果が高くなり、痛みも感じやすいです。それに対して長い時間での照射(50ミリ秒)は時間をかけてじっくりとエネルギーを伝えるイメージです。
*1ミリ秒=1秒の1千分の1の長さ

レーザー出力を上げるリスク

レーザー出力をあげると照射による肌への負担が大きくなり、赤み(ひりつき)・やけど・毛嚢炎・強い痛みが生じるリスクが上がります。

リスクを回避しながらレーザー照射で発毛組織を破壊するには、患者様の肌質や毛質に合わせて適切な出力を設定する技術が必要です。

フレイアクリニックでは、患者様の安全を第一とした上で、できるだけ効果を得やすいレーザー出力値などの脱毛機の設定を、医師や看護師が判断します。患者様それぞれに適した出力値などの判断は、患者様の毛の状態や肌の状態を確認の上で行います。

高出力によるリスク 症状・フレイアクリニックの対応
赤み(ひりつき)

赤みやひりつきなどの症状が生じた際は、患部を冷やしたり、保湿をしたりすると治まりやすくなります。
また、レーザー照射直後に症状がある方には、必要に応じてアフタークリームをお渡ししております。
クリームを使用しても改善しない場合や、1週間ほど経っても症状が治まらない場合は、医師が診察などケアを行います。

やけど

高出力でレーザー照射をすると、レーザー照射で発生した熱が周辺の皮膚に伝わりやすくなり、火傷を起こしやすくなります。

冷却装置のついた脱毛機の使用や肌状態の確認などにより火傷リスクの軽減に努めていますが、万が一火傷の症状があらわれた場合は、診察や処方など医師による対応を行います。

毛嚢炎(毛包炎)

毛嚢炎は、毛穴に細菌が入り込み、毛根を包む毛包やその周辺に炎症が起こる症状です。毛穴やその周辺が赤みを帯びたり膿がたまったり、状態によってはかゆみや軽い痛みを伴うこともあります。

使用する機器や器具の消毒を行っていますが、毛嚢炎の予防にはレーザー照射前後の肌を清潔に保つことが大切です。

毛嚢炎は、そのままにしておくと色素沈着につながるため、症状が現れた場合、クリニックに連絡して医師による診察を受けてください。

強い痛み

高出力でレーザーを照射すると、発生する熱が多くなって強い痛みを感じやすくなります。特に毛は太く濃く皮膚は薄いVIO(デリケートゾーン)や脇などは、熱が発生しやすくより強い痛みを伴う傾向があります。

フレイアクリニックでは、蓄熱式脱毛をメインとし、患者様の痛みの軽減を目指しています。蓄熱式脱毛は低出力のレーザーを何度も照射して発毛組織を破壊するため、痛みを感じにくいとされています。また、痛みに不安がある場合は麻酔クリームの使用も可能ですのでご相談ください。

この記事の監修者

磯野 宏貴

フレイアクリニック総院長
磯野 宏貴

東京慈恵会医科大学 医学部卒業後大手病院を経て、2020年フレイアクリニック横浜院院長に就任。 2021年6月より、フレイアクリニック総院長を務めている。